府中市議会報告(①学校備品/②ICT活用)
28年度第3回定例会は、9月2日(金)からスタートしました。
一般質問は、9月5日~6日の2日間かけて開催
今回は、学校教育に関する「学校備品の充実と寄附金の活用」「ICT活用と情報モラル」について、2件質疑・要望しました。
①市内の学校備品の充実と教育に関する寄附金の活用について
市内いくつかの小中学校の保護者や先生方より、
何年も壊れたまま、古いままの楽器や用具を使用しており、生徒たちの活動に支障をきたしている
という切実な訴えを聞いております。授業で使用する用具や楽器等、学校の備品は、大切に使用していても、確実に経年劣化していきます。そのため、こどもたちの授業や教育活動に支障が生じないように定期的なメンテナンスや更新が必要と考えます。そこで、学校備品の充実についての質疑・要望を行いました。
★予算の増額について★
【増山】音楽や体育等で使用する学校の備品を更新するタイミングと定期的なメンテナンスについての方針は?
【市】備品の更新は、①学習指導要領が改訂された場合、②ICT教育の推進時など新制度の導入時、③著しい老朽化や修理不能な故障が生じた時
【増山】③について、予算に余裕がないと、次年度以降の予算取りとなってしまい、授業に支障をきたす状況が1年以上継続してしまう恐れがある。過去5年間の当初予算と決済総額は?
【市】小・中学校(33校分)の教科備品の予算・決算は以下の通り。
単純に33校で割っても、1校当たり年間18万円!
未来を担う子どもたちが使用する学校備品について、適切なメンテナンスが行えるよう予算の増額を要望しました。
★備品の調達方法と価格と品質の設定について★
【市】購入または現物の寄贈。学校からの要望を最大限尊重しつつも、価格を抑えるために同等品としたり、複数校の仕様を統一し、まとめて発注して価格を抑える。
【増山】備品のうち、特に楽器については品質と価格にかなり開きがあり、同じクラリネットでも数万円~数十万円と開きがあります。家庭で購入する場合は、ご自身との相性で購入すればよいが、公立学校で準備する楽器としては、どの程度の品質が妥当であるか、市の担当課でも専門家がいない限り判断が難しい。そこで、
●府中市としての標準仕様を定める(特に楽器)
●調達方法は、購入のほかリースという選択肢も検討
を要望しました。
★教育に関する寄附金の活用についての市の考え★
【増山】右肩あがりの社会保障経費を考えると、限られた財源、容易に予算を増やすことは難しい状況にあり、寄附金の活用など、市の予算措置以外にもさまざまな手法を模索する必要があると思います。
【市長】寄附が財政的な面からのみ強調されるのではなく、市民とともにまちづくりを進めていく上での一つの手法であるとの理解のもと、寄附をしやすい環境を整えるとともに、いただいた寄附のさらなる有効活用に努めることが重要であると考えている。児童・生徒の良好な学習環境の確保と充実を図るための有効な方策であると認識している。
②授業におけるICT活用と情報モラル指導について
近年のパソコンやスマートフォンの急速な普及により、多くの市民がインターネットを活用して、国内外を問わず、より多くの情報に接するようになりました。そして、日常生活の様々な活動をICTを通じて行うことが当たり前の社会になり、国家戦略でも人工知能やIoTを進めていることから、このような環境は、更に発展していくものと考えられます。幼少時より、家庭内にパソコンやスマートフォンがあり、3~4歳の子どもがすいすいタブレットを操作している場面はもはや珍しいことではありません。
このような状況から、公立の教育現場においても、今までの教育方法に加えて、ICTを活用し、より学習の効率化を図ると共に、膨大な情報から、いかに必要な情報を抽出し、社会における新たな課題を解決すべきか等、主体的に使いこなす教育、そして、それに付随して必須な情報モラル等の教育が必要だと考えます。このような教育を受けていない世代の両親が、家庭内で教えることが難しいからこそ、学校で教育する機会が必要だと考え、質疑・要望しました。
【教育長】府中市では、今年度2学期から、小学校2校、中学校1校において「東京都ICT教育環境整備支援事業」の指定を受け、タブレットを活用した授業を実施する予定。
この指定校の実証を踏まえたうえで、わかりやすい授業実践をするために、ICTは非常に有効なツールの一つであるという認識の下、学校においてICTを効果的に活用していくための方向性の検討を継続していく。
【市】情報モラルについては、児童・生徒の発達段階に応じてセーフティ教室などにより指導している。近年SNSを通じて、いじめなどの被害やトラブルに巻き込まれるケースが増えてきており、「SNS府中ルール」を策定し、生徒会リーダー研修会において、生徒みずから意見を出し合い具体的な行動を示す「SNS行動宣言」を策定した。